ニューゲートに思いをはせては僕は後悔を絞り出す。

この肺に巣食う前世からのうじ虫
リリー、斑点を食べさせて
ならばここで抱くすべてのものは廻るのか
限りなく赤に近い恋め
二色構成の乙女
潔い死を以て、うちに溺れて
愛しいと思える痣のかたちとは
どんなお前でも愛せる自信があったんだ
また切ない約束をする前に、まずは君に初めて会いたい
目覚めぬ朝に甘い夢を
傷口は左から開いてくれ
天使は楽しみを食べられるか。
キスしたくなる友達
どんな思いでお前がハードカバーを手に取って
周波数が合わないからしょうがない
人生とは何ですか。赤々と燃える煖炉の隣ですか、笑い顔の残りかすですか、七枚花弁のユリですか。
冬の夜にまたたく火傷あとのような恋を
ロンドントワイライトをあげる
灰のまつげ、ポケットにいれる癖、地面とのキス。変えられないもの。
生涯は三分だけでいい
(一分であなたと出会って、二分であなたを抱きしめて、三分であなたを泣かせてしまうけど)
まるでフィジーウォーターのさいご
歌の一節が終わればもう何もかも違うんです
午後四時の暗闇
「わたしはあなたのためにありたかっただけなのに」
たとえなにも変わらないかもしれない。ひょっとしたら失うかもしれない。けれどだからどうだって言うんだろう。
いとしい母音ののばし方
まっさおのクジラ雲
もうあなたは落ちてしまったんですか
(二度と君を助けないなんて思わない)
体を投げ出すこの時を生まれたときから待っていたよ
一回転後の満月と360°
スパナにヒバナ
恋人たちのメリーゴーランドは幸福だ
生きるということは呼吸をすることのように規則的で、時に苦しい
順番に一日中の祝福を
うずくまる現代の吸血鬼
あの時にはもう子供
ティースプーンの傘
立見席のオペラ
血液の線路図
朝食には鐘の音を添えて
ニューゲートは吐息で開く
ディス・ベール・オブ・ティアーズ
絶望も尽きる
もし俺が紙飛行機だったとしたら、君の重みに耐えきれずに落ちてしまう
足につく大地の衣擦れ
大腿の道は心臓へと通ず
栄養素には血液をどうぞ
頼むよ。母親のスープの味を思い出すような花束を、一つ。
兄はひばりに、ナイチンゲールに弟を
春に散る白い綿。信号待ちの隣人。似合わないネクタイ。日暮れに騒ぐ森。まだら模様の鹿。愛し愛しい。
木の葉が木々から家出する時には昔をおもってはいけないよ
イフの妄想でいいから
そう今はもう、ツノがない
のんあるこーるのこーひーでむせぼう
子供の下の地面はひどく苦しそうだった(踏ん張りすぎの小枝)
頭を撫ぜれば簡単に傍観者は同情するのだ
憐れみ深いだけであって決して私は親切ではないのだけれど
プロローグは子守歌
いくらだってあいつを選びとっていいからさ。
one minute devotion
何も知らずに享受者は××を侵す
愛せぬ人がいました。
踏ん張って百合の花
わたしからあなたをとらないで!
救いみたいな孤独
我が大いなる救い、終わらぬ輪。地を愛せ、空を愛せ。叫ぶ者よ、愛の前に悲しくも非力。
君と俺が結ばれるなんてお互いせつなくなるだけだよ
一番鮮やかになる終わり方
奇妙な静けさであなたは私を溺れさす
太陽越しのダイアモンドダスト
君がうつくしいと思うものいがい食べたくないんだ
氷化粧の儚い金婚式
お墓の中でも隣に座ってよ
きみが思うすべてのことに僕は浸かっていたかった
こぼれるリンゴ色
ブラック・ムーン・ベッドタイムストーリー
宝箱の鍵はもういらない
お前の幸いのために吐きそう
変色した切断面
むかしむかし、あくまとやくそくをしたおとこがいました。
顔の見えない私の伴侶
君の部屋を食む
「どうか俺を食すときは手の込んだ料理にしてくれ」
最高に痛いこの時に絶えたい。
私たちは夜を越えなければならない。
ひとつうそをついていました。ちかちかと月のひかりに映えるすいしょうのようなうそでした。
「今生でお前とかかわりのないものだ」
朝霧に眠り、黄昏に目覚め
夏の朝に花束を
エンドオブアスキュレーション
幼い少年に星のお願いされたのなら私は死ぬしかないだろう
のぞむべきはすべてみぎみみのなか
猫の上に狼でもかぶってるの?
泥をすすっても生きるの。傷つけても生きるの。傷ついても生きるの。いつか死ぬために生きるの。
銀の涙で死ねる
丸い月が嫌い、君をもぐ重力が嫌い
小なり大なりゆいいつの
ヴァンパイア・インフェクション
失せないままの心臓を見ている
鼓動も確かめられないままこの腕に抱くのは
―こどうもたしかめられないままこのかいなにいだくのは
冷えた体液でまた数日生き永らえるんだよ。
ちっとも悲しみに慣れやしないから強いんだ
神様はぜんぜん正しそうじゃない
ひゅうと口笛を吹いたらまぶたは小さく呼吸した
写真立ての中の革命
誰も知らなかった満月の夜に
きみが俺の神様なんだってみんなが言うから
「あざむき続けて23ヶ月。幼子に拠り俺は立っている」
「最後の患者は僕じゃやだよ」
神に祈れば愛児、君の時を止められるのか
せめてだれか幸せにしてくれよ
けっして犠牲を伴わないことなど無いのだと知っている。
About the happiness which I am scared.
なくということはやさしさがあるからできるのです。
二千年がかりの孤独死
自分のために呼吸しろって言ったんだ!
俺を食い物にする俺の弟。許すも許さないもなしにお前を愛してる。
ころがったきみを煮込んだ
水車小屋の豊穣
愛に誓って厳しい人
まつ毛を瞬いて少年は質問に答えない
月光の銀色はシルヴェストル
ほら、あなたを愛おしむ私がいる
しあわせで食いつなぐディア
ほら、ここだけ救われたって
一瞬のまなざし、知らず知らずの人の言葉、残酷な両腕、お前がくれたものは全部うれしかったよ