この俺を殺したら戻ってくるよ
血染めの赤子
あまりにも朧げ過ぎた少年の話
花曇の墓を作った
「嫉妬と女の小指はおどるおどる」
むずかしいのはなにもうまれないこと
たぬき地蔵はあどけなく笑う
南蛮黒魔術指南書十三巻
ただツメをはいだだけじゃあねえ
あなたの骨は慈愛の粉をこすりだす
サンダルウッドのせいだ
三層目に埋もる帝都
めくるめくミルクホールにて
made in HEAVEN
まやかしのかおりはふところに
金魚池の入水女
あやめの本当の色は黒
よってみりゃれ、たあいもない奇跡でさ
私の舌は青い柿だけがおいしい
しだれ梅はイケナイものを呼ぶね
天狗は情を衒わない
しかつめらしき
瑠璃浄土で病んだこと
水菓子をかっさらった客人
猿の手を継ぎ剥いだ
歌舞伎美人にお拍手をおねがい
人食いガス灯に返事をする
春告の虹霓
十万億土は濃やかに
春雨はいやあな味
五臓六腑をあずかる宗教
題しておいしいタロット料理
僕の汗腺は蚤以下
九官鳥の吐き気
首吊り銘仙の怪
ヴァニラ温度のろくでなし
かさぶらんかはゆうるり
あっちを見てみてどうしてかしらん
ピンヒール・スロット
黒耳をそばだてていてもさ
どうかどうかノスタルヂアとあはないで
缶詰地獄
カラスはガラスの向こうでカアと鳴く
ドリーム・イン・ドリルホール
へりくつこねまわし
立てばツクツク、座ればヒグラシ、歩く姿はアブラゼミ
籠のつるべはよく切れる
恋煩いにくちなし
だいたい海に近いのが悪い
寂滅為楽と泣かないで
マッチ箱の淑女はにやりと笑う
書き割りほどき
こふぃーをひとすすりする芸術
珊瑚くさい情交の後
赤薔薇を檸檬ティーに溶かした
ほほえみは大腿骨にとろり、
霜も恥じらう心中をしようじゃないか
悪いね俺じゃ孕みもしない
どうして誰かの特別じゃダメなんだろ
ほろほろ暮れる太陽
私の一等好きな人が一等救いようがないんだ
「この青はつゆくさ、それともあじさい」
悪い大人にかどわかされた
ぼくという鳥居の中はきみだけ
雨狩りの朝
梅雨のころに生ったから花兄は春を愛せない
のどがあなたで詰まってしまう
春色のはなむぐりがわたしの愛よ
ぼくの悲鳴でずっとつよくなる
転がった太陽はつぶすつぶす
私のろっ骨がきしむのもシベリヤのせいだ
十五夜にあなたを食んだ
「お強いわけではないんですってね」
売約済みのもんしかないんだよもうさ
こんなにも救いようのない人間がいることさえもう虫唾が走るくらいだ
軒下に入るならキミとがいい
真心が愛情の押し売りなら生きとし生けるものすべてが不幸だ
首まで僕らは秘事の中
笄年ははるか後ろ
キスとイワコの同棲生活三日間
「一杯のお茶を淹れることはどんな愛にも優るんだよ」
白魚は五匹でまどわす
たといわたしが炎の中でモラトリアムと叫んでも!
僕らはこわれものではない
青々とした松になりたかった すきからこぼれおちるきみ
知らずしらずと阿修羅観音
狐の嫁入り、蕭々と。
生真面目が君を泣かせることだってあるのは当たり前だよ
うごめく桜動脈
へその緒切るも切らないも雷様の沙汰次第
カレイドスコォプで夢をみる
素材:cider