二束三文の天国
昼下がりの旋律はピヤノだけで
ああ、この幸いな五臓六腑
私は春に洗濯にゆきました。
むつごのむかご
悩めるがらがらどっしゃん
きみの業火を明かしてみせよう
腹八分でご用心ご用心
何のために命あるもの食べるのか少年少女はわからない。
ぼくの誕生日は一年ぶり
その愛された食料に報いてあげたい
神様はわたしに恋しないでしょ
生まれては死んでいく僕らがいとおしい
緑の果実の独占欲
すだれの奥で二世を手放す
脈脈断処でへりくつをこねても
この羨望は目に痛い
ミスター・モンスター・アガペ
弥陀の蓮華になりたかった
たとい瞳が鳥だとて
(くらくてこわいものはなにひとつみなくていい)
うでの中でだいあもんどを溶かせる
蛭のくちびるとは
僕の布施より重いもの
「なんでもしてあげるからどんなに痛くたって生きてね」
あの耳に届く価値もないから
歓喜天死ねよ
みるみるうちにほころぶ
いつのまにか恋になる
わかるだろうこの春の恍惚が
親御さんが置き去り
ほしがって手を伸ばしてきた数多
千に一つも期待させないで
僕に触れずにいきてればよかったのにね
人類が生み出した非生産の一つ
いつだって天秤にかけた結果であるべきだ。
青い唇の円環
これはきっと歓迎すべき苦痛だ
きよらかでせいれんで、はかない
来るべきエンヴィー
すこしでもながくあわいままにしたかったの
あかぎれは冬の土でできている
「夢の中で毒を煎じる」
わたしの金魚は空を飛ばなかった
燈籠は音をたてて夜を照らす
きっと極楽浄土の肌の色
鈴蘭を跨ぐと祟るよ
蝋梅は夕焼けを食べるわ
無作為にくちづけられる縁のすべて
蜘蛛の巣を掃ったこと忘れてない、ダーリン?
砕けた犬歯の飴細工
夕闇で二人あでやかにほうけるため
桟にさんさん山椒珊瑚
私の四年がほろほろに崩れた
己で鍵かけ籠の鳥
先にうじにたかられるのは私だよ
パナマ帽が泣いていた
どうぞあの人をいたまないで!
その恋はオウム返しのまま
「あ」いしてるではじまって「うん」で終われよ
一人ぼっちで見ないでちょうだい
夜はきっとまだまだ長いぜ
おろおろにょろにょろ
世界が知らないうちに泣く
裂傷に食い込む
ユキノシタあげました。
呪詛の吐きかたさえ私より私らしいのよ
君は照り映え山吹の下